最近、7〜8社ほどの中小企業様のマーケティング支援を行っています。
業種は本当にさまざまです。
ダイビングスクール、結婚式場、人材紹介、製造メーカーなど──。
一見まったく違う事業のように見えますが、実は抱えている本質的な課題は驚くほど共通しています。
今回は、私が現場で感じている「多くの企業に共通する3つの課題」について整理してみました。
マーケティングに限らず、“事業の停滞”に心当たりがある方には、きっと参考になると思います。
1. 課題を詳細に言語化できていない
最も多いのが、「課題の言語化ができていない」ケースです。
たとえば、
「集客ができない」「売上が伸びない」といった声はよく聞きます。しかし、それはあくまで“結果”であって、“原因”ではありません。
「なぜそうなっているのか?」を分解していくと、実はまったく違う要因が隠れています。
- リピート客が減っているのか?
- 新規顧客が取れていないのか?
- オンライン施策が弱いのか?
- オフラインの接点が止まっているのか?
同じ「集客できない」でも、どこに問題があるかによって打ち手はまったく変わります。
だからこそ、私は支援の最初に「課題の詳細な言語化」を徹底的に行います。
課題を構造的に整理し、どこにボトルネックがあるのかを明確にする。これが、効果的なマーケティング戦略を立てる第一歩です。
2. 定量的なデータがない、もしくは分からない
次に多いのが「数字を取っていない」「数字を見ても何が良いのか分からない」という状態です。
「月に何件来店して、何人が購入して、いくら売上が立っているのか」
こうした基本的な数字を把握できていないケースは、驚くほど多いです。
数字は最も客観的な“現場の声”です。
感覚ではなく、データをもとに判断できるようになると、「何を改善すべきか」が明確になります。
特に採用活動や広告運用などでは、「勘や経験」ではなく「数値の裏づけ」が成果を大きく左右します。
- データがなければ原因が特定できない
- データがあっても、分析できなければ宝の持ち腐れ
この“定量の壁”を超えることが、マーケティング改善の大きな分岐点になります。
私はクライアントごとに、まず“見るべき数字”を整理し、日常的に追える仕組みを一緒に作るようにしています。
3. 地道な仮説検証マインド
そして3つ目が「仮説検証を地道に繰り返す姿勢」。
「一発で当てたい」
「できるだけ早く成果を出したい」
その気持ちは痛いほど分かります。
しかし、現実のマーケティングは10回試して1回当たれば上出来という世界です。
広告文、キーワード、ランディングページ、配信設定…。
すべてを小さく検証しながら、少しずつ成果を積み上げていく。
最初は思うように結果が出なくても、課題が明確で、定量データが整っていると、「だから今はこの改善が必要なんだ」と納得して進めることができます。
私が支援の現場で重視しているのは、まさにこの“仮説検証の設計”です。
数字を見ながら小さな改善を繰り返し、再現性のある成功パターンをつくる。
この地道なプロセスこそが、マーケティングの本質だと思っています。
私が大切にしている支援の進め方
私の支援では、いきなり施策を打つのではなく、まずは次の3つを整えることを重視しています。
- 課題を詳細に抽出する
- データを整備し、見える化する
- 仮説検証を地道に繰り返す
この3ステップを丁寧に進めることで、「感覚的なマーケティング」から「再現性のある戦略」に変わっていきます。
〜「広告運用ができる人」よりも「事業を一緒に進める人」へ〜
最近は、「広告を回せる人」よりも、
「事業を一緒に前に進めてくれるマーケター」を求められるケースが増えています。
もし今、
- 何が課題か分からない
- 数字が見えていない
- やっている施策が正しいか不安
という状況にあるなら、まずはこの3つを見直してみてください。
課題の整理やデータの整備といった“土台づくり”から、一緒に事業の仕組みを整えていく。
そのプロセスに本気で向き合うことで、マーケティングは「打ち手」から「戦略」へと変わります。
もしこの記事を読んで、「自社も一度見直してみたい」と思われた方がいれば、課題整理の段階からサポートさせていただきます。
マーケティングの本質は“派手な施策”ではなく、“正しい課題発見と地道な検証”にあります。
私の支援は、そこから一緒に始めていくことを大切にしています。


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